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皮膚病の疑問

ここでは、皮膚病についての身近な疑問に対して、その回答を書きたいと思います。アトピー性皮膚炎などのように、色々な所にQ&Aが出ていて、治療方針によって答えが違うものではなく、私も同様に疑問に思った事や、私ひとりでは答えの出なかった事を、仲間の医師たちと一緒に解決していきます。

老人福祉施設のケアマネさんからC型肝炎についての質問


ケアマネさん:当施設のデイサービスをご利用中のご老人ですが、下肢や背中に湿疹があって、掻きこわしから出血しています。この方が、白内障の術前検査でC型肝炎があることが判明しました。こうしたキズからの出血を介する、介護者やナースへの感染の危険について、教えて下さい。入浴をや軟膏処置をする上で、特別な方法が必要ですか?

医師A: ケアマネさんが処理すべき仕事に係わる重要な問題ですね。経験上、掻きこわしの出血が感染源になった例はないと思いますので、入浴をさせる、軟膏を塗る、という行為が危険であるという認識はありません。が、まったく感染源にならないかと言われると若干ひいてしまいます。神奈川県皮膚科医会(http://kanahifu.umin.jp/)に在宅医療部会というのがありますので、ちょっと、みんなの意見を聞いてみます。

医師F:C型肝炎ウイルス(HCV)の件、私ならば「問題ないでしょう」で片付けてしまいそうですが、考えてみれば根拠がないので、消化器内科の先輩に聞いてみました。「HCVのRNAの定量をして、ウイルス量が多いようなら注意すべきかも」というお答えでした。具体的には、10の5乗以上だと、感染力がかなり強いとされるそうです。ただ、かきこわしからの出血量や、浴槽の大きさや、お湯を入れ替えるかどうかなどにもよるので、一概には言えませんね、ということでした。

医師K:米国のCDCのホームページ(http://www.cdc.gov/)に載っていました。HCVが、例えば浴槽についていてどのくらい感染力を保っているかは、データがありません。ただし、ケアや医療の場面で接触による皮膚を通しての感染が問題となるのは、血液透析の場合だけで、入浴や出血している所への外用処置での危険は、ほぼなし。と考えてかまいません。

医師A:結局、通常のC型肝炎患者からの血液を介する感染が、ケアの場面で問題となる事はまれで、入浴・外用処置での危険まずありません。なお、HCVが血液中でどのくらい増殖しているかの指標があり、HCV−RNAの定量という方法ですが、これで10の5乗以下なら、なおさら問題ないということも言われているようです。私にとっても、以外な結論でした。大変勉強になりました。

ケアマネさん:感染症については特に慎重に考えてしまいがちです。将来的にはきちんとした情報を元に勉強会などをしていきたいと思います。この度は誠にありがとうございました。

その後、この問題について、以下のような情報をいただきました。

医師O:C型で感染性という面では低いと思いますが、アトピー性皮膚炎に伴う出血により、B型肝炎が九州の保育園内で集団感染したことが、2004年度日本感染症学会で報告されています。したがって、「手袋をすれば、ほぼ問題ない」と した方が、解りやすいかと思いました。

 
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